2019年7月に書いていた記事なのですが、以前のブログに書いた記事で最も反響があった記事でしたのでこちらへ残しておきます。





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今日は県の出先機関のコーディネーターと話すチャンスがあったのですが、ジオパークの認知という事について尋ねられました。
そもそもジオってなんでしょう。
そうなのです。この話はいつか触れなければならない話なのです。


10年前、この質問は人ごとではありませんでした。
「ジオをやっているとどうなるのですか?」と何度尋ねたことだったでしょう。
誰かが何回も説明してくれても自分の中に響かないのです。
耳に聞こえているのと心に響くのとは違う。全く腑に落ちないとはこういうことだとつくづく思いました。


ある日、ジオフォーラムの講演依頼が来ました。20分程の短いものです。
しかし悩みました。なぜならジオってなんなのか自分が消化していないからです。
そして霧島を見ながら考えてみました。
「霧島ジオパークと呼ばれる状態とはなんだ。」
「ここが世界ジオパークになったら何が起こるんだ。」
「うちの会社がやる意味があるというなら切り口があるはずだ。」


そしてたどり着いた自分なりの答えは
「霧島ジオパークとは取り組みの名前なんだ。」
「世界ジオが持っている世界観に対応するために上のステージに行こうとすることが目的だったんだ」
「うちの会社は目先の利益ではなく先の成長のためにやる意味があるんだ。そして切り口はネットワークを使えると言うことだったんだ・・・」

8年くらい前にたどり着いたことです。

この話しは近しい仲間内ではします。


利益とはセリング思考のような直近の売上だけを指しているのではなくて、マーケティング思考という先の成長を見越した人脈やスキルアップも含めた事だったんです。
ジオパークが目的としていることは地域が基礎体力をあげること。
そのためにエリアは「世界ジオパークになりたい」「日本ジオパークになりたい」という同じ口実を持つことでネットワークが始動できるのです。
今のジオパークは始まった当初とちょっと状況が変わり、ユネスコのSDGs(目標17)が背景にあります。
SDGsに世界ジオパークは貢献しているという形になっているためにもちろん日本ジオパークも貢献しています。
SDGsは経営や教育など人の生活と密接な関係があり、関係ない人の方が少ないと思います。そう言うわけでジオパークと関係ない人はほとんどいないことになります。
ジオの状況も日々アップデートされているわけです。


製品を開発することもですが、まず自分たちの存在があってこその商品開発です。
どういう仕事ができるのか、どういう知識を持っているのか、そういう事もネットワークの中では新しいものづくりへの出会いになります。


それではなぜ、他の事業ではなくジオパークなのか。
ジオという名前だけに反応している方はそれ以上を考えてください。ジオに住んでいる人は世界中です。住んでいない人はいません。

ジオパークという概念を先進国がする理由は、あえて言うなら『経済』です。(もちろん全てではなく一部ですがなぜ先進国が?というところをいうとです)
そこにたどり着くのは先進国がしてきたこれまでの歴史があるからです。
市場に振り回され、気がつくと年を取っていた。という世界を作ってしまった先進国だからジオパークの中にある『自己実現のマーケット』のありがたみを感じるのです。
自己実現のマーケットというのは『自分らしさの提案』です。
あんな風になりたい・・・生き方と消費を結びつけた理想の自分に近づくための消費。
それは市場をコントロールする側に立つということです。

ジオパークにある経済観はとりあえず潤うことではなくて、どう潤うかなのです。
無くなるまで使い果たすのではなく。ストーリーや新しい見方から生まれる恵みはいろいろあるわけです。


小さな都城の小さな場所ではあっても、それぞれがハチドリのくちばしの中に入った水だったとしても。
やれることをやる。それは1年続き、2年続き、10年、20年・・・そうやって活性化していくプロセスは次の人達へ引き継がれる。

印刷屋さんに出来ること・・・
例えばエコペーパーで木を切らないで作れる名刺の提案。
山の皆さんのPRをするグッズづくり。
お客さんのお土産キーホルダー。
これからもっと出来ることは・・・・
防災グッズの提案。
多言語や障害の人に対応した印刷。
新しい商品提案・・・


たくさんありますがそうやってある日後を振り返ると、あのボロボロの看板はきれいになって、あの小さなお店のおばあさんが英語で挨拶をして、あの厄介者の火山灰はみんなの人気者になり、そして私の出身は宮崎ですというと「あ、霧島があるところ」と言われるかもしれない。
霧島ジオパークとは霧島連山のことだけではなく、霧島市、都城市、小林市、えびの市、曽於市、高原町のエリアに関係する人々の生活のことなのです。
そしてジオパークは簡単になれません。選んでもらえません。ジオパークって実はそういう場所だったりします。