FullSizeRender

これはなんだと思います?
鹿児島県曽於市にある天然のアーチです。
とっても見つかりにくい感じのところにあります。
数年前、新聞に掲載されていたこの場所は七村という穏やかで田んぼがとても美しいところにあたりまえな感じで静かにあります。
これができた過程を考えると知らずに上をちょろちょろと渡っていたことにびっくりしそうです。

ジオサイトに加えて欲しい感じもしますけどあんまり田んぼが綺麗だったのでそっとしときたくなる気分にもなってしまいました。



ところで、少し前に私は知り合いから「七村まで一緒に歩いてみようよ」と言われたことがあります。

そんな簡単に誘われるほど近くはないんですよね。
そこでなぜなのか理由を尋ねました。

昔、都城にいたお殿様の側室にとてもとても美しいまだ20歳にもならないくらいの女性がいました。
彼女はとても美しかったのでお殿様は彼女のことをとても可愛がりました。

しかし彼女には他に好きな人が現れました。
その男性は今の都城市横市あたりに住んでいた身分は低いですが優しくて賢い侍でした。

2人はとうとう一緒に逃げる計画をたて、そして実行してしまいます。

2人が逃げたことを知ったお殿様は300頭いた馬を使い2人を追いかけます。そしてなんとお寺へ行き僧侶に呪詛を頼んだのです。

僧侶は頼まれるがままそれを行いました。

ふたりは必死に逃げたのに呪詛によってなのか七村あたりで道に迷います。
ぐるぐると逃げ回るうちにとうとうお殿様の馬に追い付かれてしまいました。

そのとき呪詛を行なっていた僧侶は側室と逃げた侍は誰だったのだと他の僧侶に尋ねました。
そしてその男の素性を聞くとその侍が普段から僧侶が信頼していたよく知っている青年だったことに気づきお殿様の兵を止めようと慌てて外へ出ました。
しかしそこには馬が出払っていて全くいなかったのです。

そこで近くにいた牛にまたがり、ムチの代わりにまだ若かった梅の木を引き抜き牛のお尻を叩いて追いかけました。

その頃七村では2人は追っ手に囲まれてしまいました。
そしてとうとうそのまま殺されてしまったのです。

僧侶の牛が到着した頃はだいぶ後でした。
間に合わなかった僧侶は無残な姿になった2人を見て言いました。

「お前だと分かっていたら」

僧侶はうなだれて、疲れ果てて牛を叩いていた梅の枝をその近くの地面に突き刺しました。

梅は逆さまの状態で地面に刺さっていたそうなのですが明治時代まで生きていたそうです。

時間は流れてある日、志布志方面から塩を売りにくる商人の間で不思議な現象の話が広がりました。


「七夕あたりになると墓地で二つの光が見える。
まるで踊ってるみたいだ。」

その場所にはその若い2人の墓があるといわれています。


私の知り合いはその墓を見つけに行こうと言ったのです。歩いて行こうと言ったのは彼らが逃げた道を進み、その梅があった場所を横切りお墓が本当にあるのかを行ってみようと。

そのとき私はまだ半信半疑でしたし、今はそっとしとこうよと言う気持ちにもなって聞き流していました。

冒頭の写真の場所へ行くことになるまで忘れていたのです。


人々から窯と呼ばれる天然のアーチを撮影しようと喜んで行ったのですがなかなか入り口が見つからず、私たちは地元の方に声をかけて一緒に行きました。
景色を堪能して帰る時、ふと七村という名前に引っかかって独り言を言いました。

「そういえば七村の幽霊って話を聞いたよなあ」

すると地元の人の顔が変わり「うん、その言い伝えはある。なんで知ってるの?」

そう言われました。

やっぱり本当にいたんじゃないの…



田んぼとトンボに酔いしれていい感じになっていた気分が吹っ飛びましたね。






日本の至る所で迷信のような、ただの物語のようなそんな話はたくさんありますがきっと何かの根拠があるんでしょうね。
ただ面白がるんじゃなく、歴史の中で起こった事実として寄り添うような気持ちでその土地の過去を振り返るといろんなものが見えて来る気分です。

侍が住んでいた横市は私の家から車で10分くらいの場所なんですが、そうやって自分が知らないだけで身近なところにもドラマは意外と転がっているのです。